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退院後のサポート

当事者が病院に望んでいること 〜退院後の支援について〜

 

病院でのケアは短期間であり、赤ちゃんを亡くされたご家族の悲嘆(グリーフ)は退院後も長く続きます。今までに体験したことのない深い悲しみ、苦しい感情を抱え、これから一体どうなるのかもわからず、途方にくれているご家族がほとんどです。

このページでは、退院後の生活のために必要な支援、病院への要望についてまとめましたので、参考にしていただければと思います。

 

産後の体や心のこと、退院後の生活の注意点などについて十分な説明をお願いします。

特に初めての出産の方の場合、産後の体の変化についての知識がなく、強い不安をもたれることが多いようです。また、赤ちゃんを亡くした後の心や体の反応(悲嘆、グリーフ)についての知識があると、「このような思いをしているのは自分だけではないんだ」とわかり、少し安心することができます。悲しみの直後は混乱していて、説明が頭に入ってこないことも多いため、パンフレットなどの紙媒体で情報提供があると助かります。

 

ポコズママの会でも冊子を作成しております。病院でご利用できますのでご検討ください。

>>冊子『大切なお子様を亡くされたご家族へ』

 

(当事者の声)

  • 死産、流産は全く予期していないので、出産から火葬、出産後の体の変化、気持の変化、退院後の生活の過ごし方、役に立つ本やHPの紹介、など全て書いてあるパンフレットを用意してくれれば、冷静な時に読めるのにと思いました。
  • 病院でもポコズママの会のような冊子をくれたらいいのに・・・。

 

退院後にも相談できるような体制があると安心です。

(当事者の声)

  • 退院してから気になったこと(体のこと、次の妊娠についてなど)を、メールや外来で、気軽に相談する場所がほしい。
  • 退院後、異常を感じた時の連絡の仕方(受付時間など)や電話番号を教えてもらったら、躊躇せずにすぐに行けると思う。

 

病院以外で相談できる場所(自助グループなど)の情報提供をお願いします。

(当事者の声)

  • 心のケアもしてほしい。必要な場合には、カウンセラーや心療内科を紹介していただけるとありがたい。
  • 今回、やむを得ずメンタルクリニックに通い、そこで死産専門のカウンセラーがいることを教えてもらいました。このような連携を、退院時や産後の検診時に何かしらの方法で行えば、ずいぶん救われる人もいるのではないかと思います。
  • 同じ悩みをもつ人が集まる場所やHP、ポコズママの会のような活動をしている団体を教えてくれると、とても嬉しい。

 

退院後の健診にも配慮をお願いします。

産後健診で他の産婦さん・赤ちゃんと同席するのがとてもつらかったというお話しを多く伺います。

他の妊産婦さんや生まれたばかりの赤ちゃんの姿を見たり、声を聞いたりすることは、自分の赤ちゃんは亡くなったという現実を突きつけられ、とてもつらいことです。

できるだけ、他の妊産婦さんや赤ちゃんと接することがないように、診察時間や場所の配慮などをお願いします。

 

(当事者の声)

  • 待合室を妊婦と別にするか、妊婦健診以外の診察の時間を設けてほしい。
  • 流産・死産した人の退院後の健診は受付を済ませたらすぐに診察を受けさせてもらえるような配慮をしてほしい。

 

赤ちゃんの死因や、次の妊娠について、十分な時間を取って、説明をしていただけると嬉しいです。

深い悲しみの中、我が子の死を受け入れるためには、「一体、自分と赤ちゃんに何が起きたのか」を医学的にも十分に理解する必要があります。入院中は呆然としていて、赤ちゃんの死因について十分に医療者と話し合えなかったというご家族の話もよく伺います。

特に、母親の多くが、「自分が◯◯したから、赤ちゃんが死んでしまったのではないか」と自分を責め、苦しんでいます。間違った知識に基づいて、自分を責めることのないように、医療者から、適切な医学的説明をしていただき、「お母さんのせいではないですよ」という声かけをしていただけると、嬉しいです。

赤ちゃんが亡くなった状況について理解できないと、次の妊娠への不安もより高まるため、死因や次の妊娠への影響について、丁寧に繰り返し情報提供していただければと思います。

(当事者の声)

  • 手術はどうだったのか、術後ちゃんと子宮の中はきれいになったのか、きちんと説明してほしかった。
  • 流産のこと、検査の要・不要、次の妊娠に向けた留意事項など、資料などで説明いただきたい。
  • 死産前の診察をしていただいた医師(担当医以外で)にも、話ができるようにしていただきたい。