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当会出版物のご案内
当会の出版物のご案内です。
書籍『ともに生きるたとえ産声をあげなくとも』
2007年6月1日、ポコズママの会では、体験者と医療関係者と協力して書籍を
出版しました。
流産・死産でお子様を亡くされた11名の体験談と、その想いを受け止めて
くださった4名の医療従事者の言葉が綴られています。
体験談を読むのはとてもつらいことですが、勇気をもって綴った方々の
言葉を受け止めていただけると嬉しいです。
【書籍情報】
四六版 ソフトカバー 202頁
価格:1,500円(税別)
ISBN:978-4-8058-2899-1
出版社:中央法規出版
【目次】
はじめに
第1章 赤ちゃんとの別れに向き合う
- 人間扱いされなかったわが子
- 喪のケアを求めて
- 娘との時間
- 繰り返す喪失 ゴールの見えない孤独な戦い
- まさかの男性不妊と三度のわが子との別れ
- 不育症を告げた天使
- 「二十二週」という壁
- 心の中で流す涙を感じて欲しい
- 望まれた子
- わが子のことを語りたい
- 壁越しの医療と壁のない医療
第2章 赤ちゃんとの別れに寄り添う
- 臨床助産師の立場から 医療現場で、おかあさんの心に寄り添う
- 不育症外来の母性内科医の立場から 適切な医療で、妊娠・出産を支援する
- 産科医・精神科医の立場から 学集会・セミナーを企画して、「赤ちゃんの死」を考える
- 看護・研究者の立場から 体験者と医療従事者をつなぎ、よりよいケアを実現する
【購入する】
(ポコズママの会は、Amazonと楽天ブックスのアディリエイトに参加しています。上のリンクから購入されると、購入代金の一部が当会に入金されます)
執筆者からのメッセージ
書くことで自分を客観的に見つめられました
やまのはな ゆうこ
医療の現場を変えるきっかけになれば
みつの ようこ
私の体験談を参考にしてください
いとう えいこ
赤ちゃんを亡くした親の気持ちを受け止めて
たけうち ともこ
不妊治療をしていると、まずは妊娠が目標。その事に違いはないけれど、妊娠半ばでおなかの子と別れなければいけなかった母親や、父親の想いをどうか受け止めて頂けたらと思います。
戸籍にのらなかった子どもたちの存在を形に
たけうち まさと
多くの天使ママや医療従事者に読んでほしい
すずき かよ
人は、つながっている。そして、私たちの天使がそのめぐりあわせを仲介してくれた。この本が大勢の天使ママや医療従事者に読んでいただけること、そして、読まれた方がほんの少しでも何かを感じてくだされば、と思っています。
10年の時を越えて、あの時の想いを表現
ふじもと かよこ
ですが今だからこそわかったことがあります。娘は「死」を以って私に生きる道を示してくれたのかもしれない、と。私の体験は「流産」や「死産」ではなく「人工死産」です。このまま子宮に留まらせていても、いずれは死産になるか若しくは産まれてきても生きられない。生きられたとしても重い障害が残るだろうという医師の説明に耳を疑いました。「重い障害」とは肺がうまく形成されないため、生まれ出てきた瞬間に呼吸ができないというものでした。まるで水の中で溺れてやっと水面に顔を出し、空気を思いっきり吸い込もうとしたのに何度やっても肺に空気が入ってこない。窒息して苦しむ・・・そんなイメージで頭の中がいっぱいになりました。・・・そして人工妊娠中絶ができる最後の週に入っていた21週・・・同意書にサインをして、まだおなかの中で生きている赤ちゃんを諦めるという決断をしました。赤ちゃんができるだけ苦しまない方法は・・・?可能性は無いのか?与えられたわずかな時間の中、おそらく今まで生きてきた中でこれほど悩んで悩んで悩み抜き、出した答えはありませんでした。 大切に赤ちゃんを護り育てるはずの羊水を奪ってしまったために・・・。その時期が早すぎたために・・・。そして娘の直接の死の原因は、前期破水でも肺の低形成でもなく“私が人工的に出産を早める”という選択をしたからという事実に何度も押しつぶされそうになりました。
せめてあともう少し、破水さえしなければ・・・娘は助けられたかもしれない。ですが、娘は、わざわざ死ぬためだけに私のお腹にやってきてくれたわけではない。死ぬためだけである為に、多くの試練を乗り越え奇跡を起こし、やってきてくれる命などない。・・・そう思います。出産も奇跡なら妊娠も奇跡だからです。
今回、本になって私たちの体験が世に出ることとなりました。今現在は、私が娘をお空にお還しした1998年当時よりインターネットを利用する人も格段に増え、その体験を表現する場も多くあります。同じような体験をした人と、ネットがあるからこそ出会い交流することもできるようになり、それがどんなに心強く励まされるか言葉では言い表せないほどです。ですがPCの画面をスクロールしたりクリックしたりするよりも、「本」になって1枚1枚指先でページをめくる行為そのものが、「事実」や「想い」をより深く伝えてくるように私は感じます。そしてネットでも書籍でも、こうして年月を経てもなお、表現することを許していただけたことに感謝します。
娘、樹里に。大切な家族に。出版という目標を通じて、いつも繋がっていた仲間に。今まで出会った多くの天使ママに。ありがとうございました。
そしてこの本のおかげで、またもたらされるであろう出会いに、祈りと感謝を込めて。
暗い闇の中でさまよっている人々に
かみやま りえ
そんな中、この本の執筆のお話をいただきました。流産から数年経っていたにもかかわらず、自分の中ではまだ気持ちを整理することが出来ていませんでしたし、区切りをつけて前を向きたいという思いでこのお話を引き受けることにしたのです。と同時に、同じ経験をした方が自分だけじゃないんだと頷いてもらえたらそれだけでいい、また医療関係者の方々におなかの中で子どもを亡くしてしまった母親の気持ちを理解し、寄り添ってもらいたいという願いを込めて書くことを決意しました。当時を思い出しながら、時には涙しながら記憶をたどっていくうち、不思議と心が落ち着き素直に受け止めている自分に気がつきました。
現在、流産をしてから7年という月日が経ち、その後生まれた娘も4歳になります。今は涙を流すことはなくなりましたが、この世に生まれてこられなかった子どもたちのことを忘れることはありません。多くの人々に支えられ、人間の命の重さを日々より強く感じ、感謝しながら生きる毎日です。今回少しだけですが、この本の出版に関わることができたことを心から感謝しています。この本が、暗い闇の中でさ迷っている人々に一筋の光を射すことができると私は信じています。私が助けられたように、きっと・・・。
娘の死に意味を見出したい
もりおか ゆうき
私の体験談で、もしかしたら人工死産について批判を受けるかもしれません。そのときは、きっと、それが私たちの選択の答えなのだろうと受け入れる覚悟を決めました。本の出版をきっかけに、娘の死に何か意味を見出だせたら一歩前に進めそうな気がします。
この本が、かけがえのない宝物になりますように
にしかわ れいこ
執筆中は当時のことを鮮明に思い出し、涙が溢れ幾度となく中断もしましたが、きっとこの本は自分にとってもかけがえのない宝物になると思えると本の仕上がりが待ち遠しくなるほどになっていました。そしてこの本が、ここを訪れているあなたにとっても、かけがえのない宝物となりますように・・・。
私のこの気持ち、誰かに聞いてほしい!
つつい あきこ
娘を死産した翌年、幸せなことに長男が無事に誕生してくれました。今は息子に、お空のお姉ちゃんのことを、本という立派な形で伝えられることをうれしく思っています。そして何より、娘の存在をみんなに認めてもらえるようでうれしいのです。「若葉ちゃん(娘の名前です)のママ」でいさせてもらえることに感謝です。
自分自身の看護を見つめなおす機会に
浅野 浩子
(地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪府立母子保健総合医療センター 母性中央部 助産師)
執筆のご依頼があったとき、私自身の思いを中心にとのことでしたので、それまでに個人的に体験したことの中から、今まで出会ってきたお母さんやご家族の顔を思い浮かべながら書かせていただきました。流産・死産を経験したお母さんたちへの看護は、画一されたものがありません。赤ちゃんの死に対する、ご家族それぞれのお気持ちという難しい問題と取り組みながら、これからも、私たちの看護のあり方について、考えていきたいと思います。今回の執筆の機会をいただいて、自分自身の看護を見つめなおす機会を与えてくださった、中央法規出版やポコズママの会のみなさまに感謝を申し上げます。
内科医の立場から
藤田 富雄
(地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪府立母子保健総合医療センター 母性内科 部長)
不育症についても同じように子宮内環境を良くするための準備、治療が必要です。流産を繰り返すこと、死産を繰り返すことはひとつの疾患であるという認識を医師は持たねばなりません。ただし個々の患者さんで治療が必要であるかどうかの見極めが大切です。受精したその瞬間からひとの命は始まっているという信念を多くの人に持っていただければ、初期の流産であれ中期・後期の死産であれ、同じひとつの命の死として捕らえることが可能になります。そうなれば不育症に対する世の中の理解も深まることになり、そうなることを願っています。
流産・死産を語る時代が到来
田中 啓一
(嵯峨嵐山・田中クリニック 院長)
今こそ、それを語る時代が到来したのだと思います。主としてインターネット空間において感情を吐露する語り手がいて、それを受け止める聞き手を見つけたのです。そこから更に進んで、書籍という紙媒体に心情が表現される時が訪れたのだと思います。
流産や死産後のケア・システムを整えるために活動中
竹ノ上 ケイ子
(慶應義塾大学 看護医療学部 健康マネジメント研究科 教授)
読者から寄せられた感想
笑顔で過ごせる日がきますように
5ヶ月頃から羊水過少と診断を受け、総合病院へ転院し、診断を重ねましたが破水の原因も見つからず、赤ちゃんの腎機能異常の可能性が高いとの診断でした。何とか赤ちゃんを助けれる方法は無いのか何度も病院へ足を運び、先生と相談を重ねましたが、このまま羊水が無い状態ではお腹の中で亡くなってしまう可能性が高く、もし仮に出産できたとしても、肺機能や腎機能に障害が残り、生きられない可能性が高い・・・とのお話で苦渋の決断の末、死産しました。こんなにもつらいことがあるのかと自分を責めたりもしましたが、今は少しずつですが前向きに生きれるようになってきました。きっとお空からいつも私たちを見守ってくれていると信じてます。
自分が今まで知らなかっただけでつらい経験をされている方がたくさんいらっしゃること、そして少しずつでも皆さん前向きに進んでいかれてること、パパ・ママがいつまでも悲しんでいてはお空の赤ちゃんはもっと悲しいですよね。時間はかかるのかもしれませんが、お空の息子を思いながら笑顔で過ごせる日がきますように。この本に出会えたことに感謝です。
自分ひとりじゃない、と励まされた
私は自分の気持ちをだいぶ彼女たちに聞いてもらったけれど、それでも足りなくて、また、これからやってくる私のような人たちにも、同じような態度で接してあげてほしくて、退院するときに、手紙を書きました。この本と同じように、流産、死産にむきあう関係者の方々に私の気持ちが届けばいいと思います。
自分に問いかけてくれるような言葉の数々
誕生の奇跡を多くの人に伝えたい
看護師・助産師になってもこの本で学んだことは忘れず、心の支えとなれる医療従事者になりたいです。多くの感動をありがとうございました。
生命の神秘や奇跡を改めて考えた
流産の他に、予定日を過ぎてからの死産や無脳症のために妊娠を断念せざるを得なかったこと・・・。私の知らなかった世界が次々と入ってきて、読みながら涙が出てきました。この本に出会えて、生命の神秘や奇跡といったものを改めて考えさせられました。と同時に、心が温かくなりました。この本と出会わせてくれたポコズママの会のスタッフの皆様、そして胸中を実名で語ってくれた筆者の皆様、本当にありがとうございました。心から感謝いたします。
産婦人科で働く私にとっても、勉強になった
流産・死産を経験されて苦しんでおられる方、そして医療従事者の方達にも読んでもらいたいと思いました。たくさんのポコズママそしてこの本に出会えた事に感謝します。ありがとうございました。
流産、死産の経験のない人達にも読んでもらいたい
産声をあげて生まれてこなくても、姿を確認できないまま天使になっても、お腹の中に宿った瞬間に、それは大切な命で、女性はその時から母親なんですよね。生まれる事が出来なかった子達にも、第1子、第2子と書いてくださっているのが、とても救いになります。私の子供もちゃんと存在していたんだって強く思えました。私は、初期に二度の流産を経験していますが、周りには、その命を命と認めてない人達がいます。私達の悲痛な叫びをそんな人達に読んでもらいたいと思いました。
苦しい体験を実名で語ってくださった皆様、ポコズママの会の皆様、この本に出合えて、本当に感謝しています。
きっと必ず、戻ってきてくれると信じて
不妊治療を始めて1年、やっと授かった命でしたが、わずか8週での流産でした。つい最近のことです。パソコンに向かい、何を調べたのでしょうか、どのようにこの本にたどり着いたのか思い出せません。一気に読みました。涙がとまりませんでした。私の気持ちを代弁するかのような言葉がいくつもいくつもあって…読み終えた今、この本に出会えたことを心から感謝しています。
流産の手術をしてから、一つ一つのことが詳細に思い出され、看護師のあの言葉、病院の配慮のなさ、あまりの悲しみのあまり何で自分だけ…と思っていた私を、この本は色々な意味で考えさせてくれました。
仕事から帰ってきた夫が、何も聞かずにこの本を読みはじめました。流産後、泣いてる私の姿を見て、涙が流せなかったことを知っています。布団で声を殺して泣いている夫の姿を見た時、短い時間だったけど、私たちは確しかにこの子の父親と母親だったんだなということを実感しました。そしてこの本はさらにその思いを強めてくれたと感じています。
この本の「第1子」「第2子」という言葉、本のタイトルにある「たとえ産声をあげなくとも」という言葉、確かにこのお腹の中にわが子は生きていたんだと感じます。きっと必ず、戻ってきてくれると信じています。この本に出会えて本当によかったです。ありがとうございました。
私の言葉を代弁してくれた
本を刊行してくださったスタッフの方、そして何より経験談を寄稿して下さった方々、本当にありがとうございました。
経験者の言葉に勇気づけられた
勇気を出して実名で書いてくれた人々の話を読んで、自分の経験と重ね合わせて、また悲しみに暮れるのではないか・・でも、例えそうだとしても、それを乗り越えなければ、お空のあの子にいつまでも心配させてしまう、そう思い注文する決意をしました。そして、昨日手元に届きました。本を手にしたものの、なかなか開く事はできなかった・・でも、開いた瞬間、止まる事なく、気付けば一気に読み終えてました。涙が止まりませんでした。
そして、それと同時に、実名で綴ってくれた方々に、感謝の気持ちでいっぱいでした。計り知れない悲しみだったと思います。例え時間が経ってたとしても、悲しみは薄れる事はない、でも、それと同時にお空の天使ちゃんへの愛情も薄れる事はない、それがひしひしと伝わりました。そして、普段なかなか聞けない、医療従事者の方々の貴重なご意見も聞けて、よかったと思います。勇気づけられたような気がします。
まだ2週間しか経ってなくて、まだまだ悲しみの底からは這い上がれないけど、でも、またいつか我が子に会える日を夢見て、今は天使になったあの子とちゃんと向き合おうと思っています。この本に出会えてよかった。そして、あの子に出会えてよかった。ありがとうございました。
この本で感じた思いを忘れず、医療の現場へ
頑張っている方々のことがわかって救われた
自分の時に重ね合わせ一気に読み終えた
産科医療がこんなにも進んでいる現代でも、避けられない悲しみがあるんだと痛感しています。自分の手で子供の成長を見守るという事はできませんでしたが、お腹の中で娘は生まれ、臨月までともに生きてくれたかけがえのない時間をわたしは誇りに思います。そんな時間をくれた娘に心から「ありがとう」という気持ちになりました。そして、この本をこの世に送り出してくださったポコズママの会の皆様、実名で執筆してくださった皆様に感謝いたします。
涙がとまりませんでした
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