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葬儀に関わる方へ

亡くなられた赤ちゃんの葬儀・供養の場で協力していただく皆さんに理解していただきたい、当事者の思いをご紹介します。

赤ちゃんのお見送りに関しては、病院から葬儀会社を紹介され、そのまま葬儀会社にお任せする場合もあれば、葬儀会社をご利用せずに葬儀も行わず、家族だけで火葬を済ませる場合もあります。火葬後、落ち着かれてから赤ちゃんの供養を考えるご家族も少なくありません。このページでは、葬儀に関わる方に配慮していただきたい内容を掲載しております。(便宜上、ご遺族が接する時系列順(「葬儀社の方」「火葬場の方」「宗教者・僧侶の方」)に記載しています。)

また、ご遺族へ、当会発行の冊子『大切なお子様を亡くされたご家族へ』を渡してくださる葬儀社や僧侶の方もいらっしゃいます。赤ちゃんのお別れ方法や、お別れ後のこころについての情報も盛り込まれた冊子です。冊子の趣旨にご賛同くださり、配布にご協力お願いします。

>>冊子『大切なお子様を亡くされたご家族へ』

 

葬儀社の方へ

大切なご家族の死の中でも、かけがえのない「子どもの死」は、ご家族の悲しみとショックが特に大きくなります。

葬儀社に連絡が入る時は、亡くなられて少し時間が経過している時だと思います。「葬儀」を考えるという事は、ご家族がお子様の死を意識し現実を進み始める大切な時間となります。ご家族としては、元気で産まれてくれることや、健やかに成長してくれることを考えていた中での死です。ご家族がお子様との別れの時間をどのように持つべきかをじっくり考え、悔いのない納得のゆく時間を過ごせる事を大切にしながら、葬儀内容を決められるようサポートしてください。また、葬儀の専門職の立場から、知っている情報を家族の心情に配慮しながら、分かりやすく丁寧にお伝えしていくことが重要となります。

下記については、亡くなったお子様の年齢・状況・施設や地域性、風習などによっても大きく違いがあるので、葬儀社ごとに調べてご家族に説明できるように準備していただければと思います。

 

ご安置について(ドライアイスや冷蔵庫の使用について)

火葬までの日数やお子様のお身体の様子、また安置場所の状況にもよりますが、家族にとって、体はきれいであっても「子どもが冷たくなっている」ことはとてもつらいことです。

死後変化を抑えるために通常当たり前に使用されていますが、ご家族にメリットとデメリットをきちんと伝え、ご家族の了解の下、使用を決めることが望ましいです。

 

お棺について

子ども用の小さい棺の準備がない葬儀社が多いのが現実です。またあっても大人と同じ白い棺で単にサイズが小さい物が多いです。白い棺は抵抗があるというご家族の意見も多いです。最近はゆりかごタイプの棺などもあり、病院やご自宅に持ち込んでも違和感が無いタイプもありますので、検討していただければと思います。

 

事務手続きについて

葬儀を葬儀社にご依頼される場合、役所などの手続きを葬儀社が代行することもありますが、ご両親がお子様に対して、できるだけ自分たちで色々なことをしたいというお気持ちを持っている場合があります。ただし、役所の受付は事務的な対応が多く、ご家族が傷付く場合もあるため、可能であれば同行してのサポートをお願いします。

 

宗教儀礼について

葬儀の中で宗教者・僧侶を呼ぶかについては、家族の中でも意見が分かれます。特に小さなお子さんを亡くされた場合、ご両親は希望しなくても、祖父母や親戚の方から「呼んだ方がいい」という意見が出ることがあります。状況によっては、ご両親が赤ちゃんとゆっくり過ごせることが、ご両親の心の回復のためには大切であることや、お骨になってから、ご供養をお願いすることも可能であることを伝えて下さい(菩提寺にお墓がある場合は、納骨をする際に必ずお願いしないといけない場合があることなども伝えて下さい)。

 

火葬について(収骨と骨ツボ)

火葬場によっては月齢が小さい場合、火葬はできても収骨ができない所もあります。また棺に沢山の物(衣類・絵本・お菓子)などを入れると、お骨がきれいに拾えない火葬場もある為、ご家族に入れる物を制限してもらう場合もあります。

事前に「全収骨」が可能かを確認しないと、時間の関係などで出来ない場合もあります。

(小さいお子様の場合はご家族は可能な限り収骨を希望する方が多いです。)

また火葬前にお骨ツボの大きさについても家族に説明が必要です。「全収骨」の希望があっても、納骨先をすでに決めている場合は、場所によっては小さい骨ツボでないと受付してくれない所もあります。収骨については、火葬場の設備や考え方によって大きく違いがある為、事前に確認の上、ご家族にも説明して下さい。

 

お骨の供養について

葬儀後のお骨のご供養についてですが、お仏壇などが無い家も多いです。ご家族の中には「仏壇を買わなければいけない」または「すぐに納骨をしなければいけない」と考えてしまう方もいます。期限があるわけではないので、ご家族がお子様に「してあげたい」と思ってからで大丈夫である事を伝えて下さい。また納骨しても最近は「手元供養」としてお骨を少し残してくことも出来るので焦らずゆっくり考えましょうと伝えて下さい。

 

火葬場の方へ

 

ご両親より、火葬場から何も持ち帰ることができなかった無念さを伺うことが度々あります。お子様を亡くされたご家族は、残せるものは全て残したいとご希望されることが多いです。赤ちゃんとの思い出の品はとても少ないため、遺灰や遺骨を残せるかどうかはご家族にとって大変重要なことなのです。

赤ちゃんの大きさや火葬場の設備によっては、遺骨を残せないこともあるかもしれません。事前に収骨ができないこともあることを説明しながらも、残せるように努力するお気持ちを伝えていただければ、ご家族のつらさも少しやわらぎます。また、収骨ができなくとも、遺灰を持ち帰れることを提案するなどの、ご家族の気持ちに寄り添ったサポートが必要です。特に、葬儀会社を利用されないご家族は、火葬に関する情報をほとんど持っておりませんので、丁寧な説明をお願いします。

 

〈火葬の際の注意点〉

  • 収骨については、火葬場の設備や考え方によって大きく違いがある為、事前に確認の上、ご家族にも説明をお願いします。
  • お子さんの月齢が小さい場合、火葬場によっては、火葬はできても収骨ができない所もあります。早朝の火の弱い時間帯に火葬すると、お骨を残せる場合がありますので、時間帯の調整もご検討ください。
  • 棺に沢山の物(衣類・絵本・お菓子)などを入れると、お骨がきれいに拾えない可能性がある場合は事前にご家族に説明をお願いします。

・事前にお骨ツボの大きさについても家族に説明が必要です。「全収骨」の希望があっても、納骨先によっては、小さい骨ツボでないと受付できない所もあります。

 

宗教者・僧侶の方へ

お腹の中の赤ちゃんが亡くなった場合、周囲の人は赤ちゃんの存在を「まだ生まれていない存在」と認識し、無意識に、「そんなに悲しむ必要はない」「次の子が生まれれば解決する」と考え、「いつまでも悲しんでばかりではだめよ」「きっとすぐ次の子を授かるよ」などの間違った励ましの言葉をかけることがあります。しかし、お腹の中の小さな赤ちゃんであっても、ご両親にとっては大切な我が子であり、赤ちゃんの存在や、失った悲しみを認めてもらえないことは、とてもつらいことです。

このように、小さな赤ちゃんを亡くしたご家族の多くが、大切な我が子を亡くした悲しみだけではなく、「悲しみを周囲の人に理解してもらえない」という苦しさを抱えています。そのような中、葬儀や供養の際に接した宗教家や僧侶の方から、温かないたわりの言葉をかけていただくことは、「世の中には、この悲しみを受け止めてくれる人・場所がある」というメッセージをご家族に伝えることであり、ご家族の心の大きな支えになりえます。葬儀や供養の場は、大切なお子さんの供養の場であるだけではなく、残されたご家族、特にご両親の悲嘆(グリーフ)を支える場であることを、どうぞご理解ください。

 

〈宗教家・僧侶の方から伝えてほしいメッセージ〉

  • 赤ちゃんは苦しんでいないこと、魂は平安な場所で過ごしていること
  • 赤ちゃんはご両親や周りの人を幸せにするためにやってきたのであって、赤ちゃんはご家族の幸せを願っていること、だから、自分を責めないでほしいこと
  • 供養で大切なのは、「赤ちゃんのことをいつまでも大切に想うこと」なので、形式にこだわらなくてもよいこと
  • 悲しみが癒えるには、年単位の時間が必要であり、泣くのを我慢しなくてよいこと、あせらず、自分の感情を大切にすごしてほしいこと

 

また、「赤ちゃんの死」は突然のことであることが多く、ご両親の多くが葬儀や供養のことをよく知らず、強い不安や戸惑いを持っています。呆然としているご両親のために、周囲のご家族がさまざまなことを決めてしまう場合がありますが、「赤ちゃんのためにしてあげたいこと」をご両親に確認しながら、悔いのないお見送りができるように、葬儀内容を決めていただければと思います。

 

ご家族から寄せられることの多い悩みごとの1つに、ご位牌や納骨などの供養に関することが挙げられます。

両親、特に母親にとっては、お骨はお子さんそのものであり、手放すことはとてもつらく、長い間、自宅に安置し、手元供養をしたいと希望される方が多くいます。一方で、周囲の人は、「早く納骨しないと成仏できない」「親のためにもならない」などの理由を挙げ、早い時期での納骨を勧めることがあり、ご両親との間で意見が衝突し、もめることがあります。

供養をめぐって、家族間で諍いごとになることは、とてもつらいことです。

供養に関する知識不足から諍いが生じることも多いため、宗教的には、必ずしもいついつまでに納骨しなくてはいけない、という期限があるわけではないこと、特にお子さんを亡くされた場合、気持ちの整理がつくには年単位の時間が必要であり、納骨も通常よりゆっくりと考えてよいこと、ご両親が納得できる形が一番であることなどを、宗教家の立場からぜひお伝えください。

また納骨する場合も、少量のお骨を分骨し、「手元供養」として自宅に安置することもできることや、わずかなお骨を遺骨ペンダントに納めて、肌身離さず身につけることができること、分骨は宗教的にも問題ないことなどもお伝えください。

 

作成協力

  • 遠山玄秀様(上行寺)
  • 川上恵美子様(家族葬専門葬儀社ファイング)
  • 宮崎天使ママの会様