HOME > 今年の9月、40歳の誕生日に流産手術をした者です。「40歳過ぎると受精はするけど育たないんだよね」と言われました。妊娠を望むべきではないのか?と毎日自分に問いかけて悩んであります。

今年の9月、40歳の誕生日に流産手術をした者です。「40歳過ぎると受精はするけど育たないんだよね」と言われました。妊娠を望むべきではないのか?と毎日自分に問いかけて悩んであります。

【 ご相談内容 】
よろしくお願い致します。今年の9月、40歳の誕生日に流産手術をした者です。診断は6週での稽留流産でした。34歳で第1子出産、35歳で9週で稽留流産、38歳で第2子出産しました。

子供は2人でいいと言う夫の意向もあり、積極的な子作りをした訳ではなく、若干想定外な妊娠でした。妊娠がわかった時、夫の反応にドキドキしたのですが、夫はとても喜んでくれて正直驚きました。私は3人欲しいとずっと思っていたので本当に嬉しくて楽しみにしていました。
結果流産になってしまったのですが、この妊娠をきっかけにやっぱりもう1人産みたいとなおさら強く思うようになりました。
流産手術後の外来受診の際、次を希望しても大丈夫か質問してみました。
回答としては、
「40歳過ぎるとダウン症の確率も上がるし、卵子の遺伝子が壊れていくので、受精はするけど育たないんだよねぇ」
との回答でした。最後に、
「でも妊娠を希望するのは全然問題ないと思いますよ。外来で排卵の状態を診てもらう位ならそんなにお金もかからないですしね」
と私的には少し矛盾を感じました。

私の疑問は、今回卵子の遺伝子が壊れていたのなら、もう他の卵子の遺伝子も壊れているのか?それとも、35歳で流産後に37歳で出産ができたという事は、今回流産してもまだちゃんと育つ卵子が排卵される可能性もあるのか?という点です。

妊娠を望むべきではないのか?と毎日自分に問いかけて悩んであります。
乱文になりましたがご回答よろしくお願い致します。


【 回答 】

この度は,授かった赤ちゃんを亡くされたとのこと,誠に残念に思います。
しかし,そのような中で,次の妊娠への希望を持たれることは大変自然なことと感じます。

年齢のことを気になさっているようですが,厚生労働省の統計を見ると,平成26年には,1,003,539件の出生があり,そのうち約5%の50,878件が,お母さんの年齢が40歳以上の出産でした。

このデータから,少なくとも閉経までは,女性は生む力を持っているということになります。

しかしながら,流産する確率は,母体年齢に比例して上がることが知られています。
また,ダウン症候群などの染色体異常も母体年齢が影響します。

これは,いわゆる”卵子の老化”という現象によります。
「遺伝子が壊れる」という表現は正確ではありません。
卵子は,胎児の頃から分裂を開始しますが,途中で分裂を止め,排卵されるまで
次の分裂を待ち続けます。

排卵は,月に1回,初潮から,閉経までつづきます。
よって,早い卵子でも分裂に10年かかり,ゆっくりとした卵子では50年かかることになります。
この経過時間は,染色体という遺伝子の入れ物の分配に影響する確率を増やします。

よって,母体年齢の上昇は,「妊娠ができなくなる」ということではなく,
「染色体を理由とした不足の事態に出会う確率が増える」と理解していただくのが正確なのだと考えます。

確率論とどう付き合うか,大変難しい問題だと思います。
立ち止まるのも,進むのも,ご自身の心と相談して決めてよいのではないでしょうか。
(あと,ご主人の気持ちも大切ですね)

相談者: k.k様
回答者: 三宅 秀彦