HOME > 先月に18週1日で死産しました。1センチしかないのに妊娠に望むのは、無謀なのではと思ってしまいます。喜びを感じていただけに身を削がれる思いです。

先月に18週1日で死産しました。1センチしかないのに妊娠に望むのは、無謀なのではと思ってしまいます。喜びを感じていただけに身を削がれる思いです。

【 ご相談内容 】

先月に18週1日で死産しました。
2回目の死産で、前回は、20週でした。どちらも突然の破水です。たどれば、円錐切除により、けいかん長が1センチ。術後の狭窄症による2度の拡張手術。
その後、妊娠による2度のほうしゅく術をし、術後も順調でした。特に2回目は、内側子宮口も開いておらずその部分も含めれば3.2センチはあるとのことでした。にも関わらず突然の破水。絶対安静の上、妊娠がわかってからずっと用心して安静生活を送っていて、なお経過もいいだけあって、今回は大丈夫という自信がありました。ですが、現実は、思っていたより厳しかったようで悲しい結末となりました。

担当の先生は、次を望むなら3回目になるので、けいかんをくくることは出来ないといわれました。ネットで色々調べていると18週ぐらいで2センチの人でもくくったりしたり、絶対安静をとる状態のようで、1センチしかないのに妊娠に望むのは、無謀なのではと思ってしまいます。しかも2回も死産を繰り返していると流産・死産の確率もあがると書いてありました。

長期入院だったため、周りの人は、妊娠と知っている人もいるようで(前回のこともあったので出来るだけ検査入院とかいってごまかしてきました)じつは、今日、「おめでとうございます」とか言われ、言葉を失ったのですが、はっきりいった方がいいだろうと、「ダメだったんです」といったら、「何週だったんですか」と聞かれ、そんなことまで聞く??と思いましたが、「18週」と答えたのですが、後から考えればなぜ答えてしまったのか?まぁまぁといって流せばよかった。凄い後悔が襲ってきて、でも未だ受け止められてはいない現実に気が狂いそうな思いと死んでしまいたいという思いとで苦しくて苦しくて仕方ありません。

まだ、望みがあるなら、と浅はかな思いが芽生えてきますが、自分の体が何も問題なければ生んでやれた命を死なせてしまった深い苦しみと、また同じ結果になってしまうのではという苦しみとで毎日をどのように生きていけばいいのかわかりません。また、けいかん長をくくったり開いたりしてるので、もうボロボロなのかと思っています。

けいかん長が1センチでも、出産してる人はいるんでしょうか?それで生まれてくるこどもは、奇跡みたいなレベルなんでしょうか?自分の身に何が起こっているのか現実を直視できないところもあるので、はっきり聞けたらと思います。今でも今年の春には楽しみがやってくると喜びを感じていただけに身を削がれる思いです。

正直何を聞きたいのか、曖昧なところもありますが、ご返答をいただけるところがあれば、いただきたいです。
なぜ自分だけこんな人生をおくることになったのか?私がなにをしたと、初めて神様を呪いたいと思いました。どうか助けてください。というのはおかしいかもしれませんが、ご意見を伺えたらと思います。

【 回答 】

とこさん、何度もつらい思いをなさったこと、たいへんつらい経験だったと思います。心よりお見舞い申し上げます。

まず、子宮頚管長と流早産の関係について、説明したいと思います。
子宮頚管長は、早産をおこしやすい妊婦さんをみつけるために、産科の外来ではかならずチェックする項目です。しかし、子宮頚管長が短い方が必ず流早産に至るわけではありません。

産科診療ガイドラインに引用されている文献では、妊娠24週の頸管長が40mmの方と比べて、13mm以下の方では、35週未満の早産が起きる確率が14倍になると記載されています。これを実際のパーセンテージを考えると、日本の早産の割合は約5%と言われていますので、早産する確率は約70%と推定されます。
これを反対の視点から見ると、35週以降で分べんする人も3割はいるということでもあります。これらの数字の意味をどのように捉えるかは、個人個人の考え方になるでしょう。

しかし、早産に関わる因子は、頸管だけでなく、他にも炎症なども影響するといわれています。円錐切除をした後の妊娠中に子宮頸管をむすぶかどうかについては、かならず必要とはされていません。何故なら、有効性についてはいまだに検討の余地があること、また、子宮頸管に感染があれば、逆に流早産を誘発する可能性もあるからです。また、この感染がどうしておこるのかもよく分かっていませんし、治療についても、その対策は難しいのが現状です。

早産への対応は、産科医にとって非常に難しい課題です。おそらくご覧になっていた産科の先生も、とこさんの治療について相当悩まれたのではないでしょうか。実際の診療における判断については、いろいろな要因が関係しており具体的に判断を下すことが出来ませんが、私はそのように感じました。

今、一番辛い時期なのでしょう。だんだんとお気持ちは落ち着いていくと思いますので、前に向ける気持ちになったら、かかり付けの先生とよくご相談なさってください。

 

相談者:  とこ 様
回答者:  三宅 秀彦