HOME > 先月半ば、ちょうど母の日に、まだ8週に満たないまま、お腹の赤ちゃんが天国に旅立って行きました。その数日後に、大好きだった祖母も天国に行きました。まだ休んだほうがいいのか、もう動き出したほうがいいのか、そもそも自分は一体どうしたいのか、戸惑っており、ご相談したくメール致しました。

先月半ば、ちょうど母の日に、まだ8週に満たないまま、お腹の赤ちゃんが天国に旅立って行きました。その数日後に、大好きだった祖母も天国に行きました。まだ休んだほうがいいのか、もう動き出したほうがいいのか、そもそも自分は一体どうしたいのか、戸惑っており、ご相談したくメール致しました。

【 ご相談内容 】

初めまして。

先月半ば、ちょうど母の日に、まだ8週に満たないまま、お腹の赤ちゃんが天国に旅立って行きました。
その数日後に、大好きだった祖母も天国に行きました。
度重なる喪失で、とても悲しいです。
夫は優しく支えてくれていますが、それでも突然涙が出て来流ことがあります。

自分でも自覚しているのですが、気分に非常に波があります。
それでも先月よりは状態は良くなっていると思いますが、些細な言葉や義父の言動に悲しくなったり腹を立てたり。(夫に延々と気持ちを話して聞いてもらいました。夫も良い気持ちはしなかったと思いますが)
実家は電車で3時間くらいのところにあります。
また、実家は実家で、父が体調不良だったり、新築のために大量の荷物の整理に追われています。

私自身は他県から去年引っ越して来たので気心の知れた友人も少なく、近所に義父母が住んでいるのですが、流産してからはあまり頑張ってお付き合いや連絡を取るのをしんどく感じています。

主婦なので日中は集合住宅の一室にいることが多く、気分も塞ぎます。
このままではいけない。鬱っぽく感じて、社会とつながりを持とうとハローワークにも行きました。短期の学童バイト等に応募し、明後日には面接に行きます。

自分の心をどうにか安定させたい。身体も、一からちゃんと作り直したい。(妊活でホルモン剤など投与していたので)社会的なつながりを定期的に持ちたい。
と思っています。

まだ休んだほうがいいのか、もう動き出したほうがいいのか、そもそも自分は一体どうしたいのか、戸惑っており、ご相談したくメール致しました。
よろしくお願いいたします。

【 回答 】

一粒さん
お子様とのお別れからほぼ一ヶ月が過ぎたところですね。
その後、体調はいかがですか?

また、お祖母様の法要などお別れの行事も続いておられることでしょう。
お父様の体調も心配ですね。
ご実家も新築されたとのこと。
「手伝いをしたいのに思うように動けない」というもどかしさを感じておられるかもしれません。。
本当は、実家の方々に「お空の赤ちゃんのことを聴いてほしい」と願ったとしても、今は一粒さんが皆様を気遣わなければならないお立場なのでしょう。

一粒さんは、ご自分の体調や心情をしっかりと理解されています。
さらに、周囲の方々との関係を理解されています。
ほどよい距離感を保つこともなさっています。
このことからも、一粒さんの生活力・社会力が伝わって参ります。

>鬱っぽく感じて
こころの不調だけでなく、からだの不調もありますか?
眠れないとか何度も目覚めるとか、朝早くに目覚めるなどの睡眠の問題。
食欲がないとか、食べてもおいしくないなどの食の問題。
ひどくだるい、疲れやすいなどの疲れの問題。
それ以外にも、あちこちが痛いとか、めまいや動悸等など
からだがそれほど深刻でなければ良いのですが―。
からだの声もしっかり聞いてあげてください。

>突然涙が出て
これは、とても自然なことです。
一粒さんの心の中には、嵐が吹き荒れているのですから―。
生涯にいくつもないはずの嵐のような出来事が次から次に起こったのです。
小さな小舟で嵐に立ち向かうような、大きな心の揺れはしんどいものですね。
私は、一粒さんが「悲しいことを悲しい」と実感できることがとても大切なことだと思います。

>夫は優しく支えてくれています
本当によかった!
夫さんは、夫さんならではの共感で受け止めてくださるのですね。
赤ちゃんのいのちの存在感が残る女性の体の哀しみ、お祖母様との思い出―など、一粒さんが受け止めて欲しい共感とは少し質が違うのかもしれません。
でも、安心して気持ちを言葉にできる存在が身近にいることは、本当に価値あることだと思います。

人生にはいろいろな出来事が次々に起こるものです。
その経験をひとつひとつ越えながら、夫婦の年輪が刻まれているのではないでしょうか。
今度は、夫さんの人生の出来事を一粒さんが傍らで見守る―そんな時間もあるかもしれません。
今は、夫さんにたくさん気持ちを聴いていただいて、甘えてよいのではないでしょうか。

でも、日中ひとりでいる時間は辛いですね。
一粒さんと同じような経験をした方の「嵐の時間の過ごし方」は、百人百様です。
本当にひとりひとり違うのです。
個性あふれていて、「らしさが素敵だなぁ!」といつも思います。

ジタバタ、手探り―ムリは禁物ですが、決して無駄ではありません。
他人の指示に従うというのではなく、自分自身のいのちを守りたいと必死に歩く中での「気付き」は本当に深いものがあります。
そして、明かりの見えないトンネルはないことをいろいろな方が伝えてくださいます。
でも、少し時間は必要かもしれません。
「心が安定」というより、いろいろな出来事があったことをあったこととして受け止められる、という印象かもしれません。
ザワザワ、ふとした時の涙―繰り返すことも自然なことだと思います。

お空の赤ちゃんがいることは、身内以外になかなか伝えられない出来事です。
そのために、「ポコズママの会」のようなセルフヘルプグループの存在は心強いものです。

一方で、「誰にも言えない」と思っていたら、信頼できる関係になった人にふと話す
機会があると、「パート職場の人たちが、私も…と言う人がいた」「上司に、僕たちも―と言ってもらえた」などと、意外な人がそうだったというご報告もよくあります。
でも、誰でもという訳にはいかないですね。
この人だったら話してもいいという関係になるまでには、時間も必要ですから。

>社会的なつながりを定期的に持ちたい。
>短期の学童バイト等に応募
一粒さんは行動する人なのですね!
子どもたちが元気をくれるかもしれませんね。

また、夫さんにはご不自由があるかもしれませんが、時々ご実家を手伝いに行くということもあるかもしれません。

一粒さんにとっての「社会的なつながり」は、いろいろなところに糸がつながっているはずです。
一人で過ごしている時間の中でも、一粒さんはひとりぼっちではありません。

嵐の後は凪を、再び荒ぶる嵐が来たら、ゆっくりと凪を―。
一粒さんらしく行動しながら、今は、お空の赤ちゃんのことをたくさん思い出してあげてよいのだと思います。

 

相談者:一粒 様
回答者:田村 芳香