HOME > 妊娠6か月の検診で全前脳胞症と診断されました。次の妊娠時に、また同じことが起きる確率は高いのでしょうか。

妊娠6か月の検診で全前脳胞症と診断されました。次の妊娠時に、また同じことが起きる確率は高いのでしょうか。

【 相談内容 】

妊娠6か月の検診で、脳に異常があると言われました。全前脳胞症と診断されました。また、心臓に穴があるとも。結果、人工死産になりました。

遺伝子検査等はしていませんが、次の妊娠時に、また同じことが起きる確率は高いのでしょうか。子供が欲しいけれど、また同じようなことが起きたらと思うと、不安だし、とても怖いです。

【 回 答 】

なおこさま
赤ちゃんにご病気が見つかったこと、人工死産になったこと、たいへんに辛いことと思います。
次の赤ちゃんにも同じようなことがおきるかというご心配ですが、だいぶ難しい問題です。

全前脳胞症というのは、脳の構造を作っていく作業が上手く進まずに起きる症状です。
そして、全前脳胞症だけをきたす場合から、他の症状をともなうものまで様々です。
この症状をともなう代表的な疾患としては、13トリソミーなどの染色体疾患や、特定の遺伝子の変化による疾患が挙げられ、さらに、母体の糖尿病やアルコールが影響して起きることも知られています。(アルコールについてですが、このように書くと「あの時一口飲んだことが…」のように心配されますが、習慣的な飲酒が影響すると考えてください)

原因を調べるための遺伝学的な検査として、染色体検査や遺伝子の検査があります。染色体の検査は、変化があればはっきりとわかることもありますが、遺伝子が原因の場合では、原因が多岐にわたるので、遺伝子の変化が判明しないことも多くあります。

このように原因が多くあり、遺伝学的な情報がありませんので、次の妊娠への影響を正確に推定するのは難しいところです。
あくまでも一般論ですが、次回に同じ事が起きる確率は、1/2を超えることは無いと推定され、実際にはもっと低い数字だと推定されます。
できれば、産婦人科の先生から、お近くの遺伝カウンセリングに対応出来る施設にご紹介いただくのがよいかと思います。
もしかしたら、今回と同じように「正確な事はわからない」という話になるかもしれませんが、近くに相談できるところがあれば、少し気が楽になるのではないでしょうか。

心配はつきないと思いますが、うまくサポーターを増やしてください。
次回妊娠につながり、元気な赤ちゃんがやってきてくれることをお祈りしております。

相談者:なおこ様
回答者:三宅 秀彦