HOME > 晩婚で自然妊娠ができたのですが、18トリソミーという染色体異常のため、死産を選びました。待ちわびてようやく授かった命を、親の決断で止めてしまったことへのとてつもない罪悪感で、立ち直る自信がありません。
晩婚で自然妊娠ができたのですが、18トリソミーという染色体異常のため、死産を選びました。待ちわびてようやく授かった命を、親の決断で止めてしまったことへのとてつもない罪悪感で、立ち直る自信がありません。
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【 ご相談内容 】
はじめまして。先週21週6日で死産いたしました。
晩婚だったこともあり、結婚後すぐに婦人科の検査をした結果、自然妊娠は難しいということもあり、人工授精4回したものの結果は出ず、不妊治療1年間行ったところで体外授精に進むまでにクリニックを少しお休みした期間に自然妊娠がわかったのが今年の4月です。
妊娠がわかったとき、夫婦で泣いて喜びました。こんなにうれしいことがあっていいのだろうか。努力は報われるんだ!神様っているんだなって。ほんとにほんとに嬉しくて、胎嚢確認、心拍確認、予定日決定、どの検診でもホッとしては涙が出てきました。
それからの検診では、毎回順調と言われており、今月初旬の6ヶ月の精密超音波検診で、性別がわかるかなあと夫婦で有給をとって楽しみに病院に行きました。
そこで、一気に天国から地獄へと世界が変わりました。
染色体異常の可能性を指摘されました。心室中核欠損、小脳低形成、脳に水が溜まっている、指の重なり、耳の位置が低い、これらがあてはまるものは18トリソミーという染色体異常だとのこと。羊水検査をするなら簡易結果まで最低1週間かかるため、もし今回の妊娠を諦めるということであれば明日にでも羊水検査を行うべき、と言われ、まったく頭の整理がつかないまま、翌日羊水検査を行いました。
それから結果が出るまでの1週間は気が狂ったように泣き、会社も行けず、私が高齢のせいで卵子の質が悪かったんだ、夫に申し訳ない、今まで不摂生な生活をしてたから、と自分を責め続けました。
羊水検査の結果(FISH法)は100個の細胞の中で92個に18番染色体が3本確認できたとのことで、18トリソミーにほぼ間違いない、とのことでした。覚悟はしていたものの、ショックは大きく泣き叫びました。18トリソミーは、子宮内死亡の確率も高く、生まれてきても1才を迎えられるのは10%という、重い染色体異常ということ、18トリソミーの子を持った人のブログをひたすら見続けた結果、私たちにはいつ亡くなるか不安を抱えたまま妊娠を継続していくことができない、18トリソミーを受け止めきれないという、親の勝手な決断で諦めることを選びました。
このとき、胎動は毎日感じていて、待ちわびてようやく授かった命を親の決断で止めてしまうことへのとてつもない罪悪感を感じて一緒にいなくなりたいと思いました。この子が自分の意思で命を止めるまでおなかの中で育ててあげるのが本当の母親なのに、私はわが子を殺すことを選んでしまったのです。
21週6日までに時間もなく、羊水検査の結果からわずか数日で入院し、出産をすることになりました。
娘は、お医者さんもびっくりするくらいごく少量の薬で破水とともに生まれてきてくれました。もちろん、今まで経験したことのない痛みでしたが、母体に負担がかからないようにしてくれた親孝行の娘さんだね、と助産師さんに言われました。
生まれてきた娘を胸に抱えて、夫と、私たちのところに来てくれてありがとうと、心からの感謝の気持ちを伝えました。
産院では、幸せそうなおなかの大きな妊婦さんや、出産直後の新生児を抱えた人、面会に来て赤ちゃんを変わる変わる抱っこしている家族がたくさんいました。
その横で、自分の意思でわが子の命を絶ってしまった私は、あんな形でしか娘を生んであげられなかった自分への怒り、後悔に押しつぶされ、私も、他の妊婦さんみたいに、痛みの先に大きな幸せが待っている出産がしたかった。娘の産声が聞きたかった。おっぱいをあげたかった。家族3人で川の字で寝たかった。なんで、なんで私はほかの妊婦さんにできたことができなかったんだろう。そんなにバチがあたることしたのかな、一生懸命生きてきたつもりなのに、こんなに悲しいことがなんで起きたんだろう、もう、立ち直れる自信がありません
子供が生まれるということもあって、無理をして家も購入しました。正社員で仕事もしていますが、この先仕事に復帰できる自信もないです。会社でも、安定期に入ったところで全社に私の妊娠が発表されました。家のローンもあるため、私が働かないとどうにも生きていけないので、仕事には来月復職しなければなりません。
もう、40才までもあと数年ですし、もともと不妊だったので、次に子供が授かれるかもわかりませんし、わが子の命を絶った私にまた赤ちゃんが来てくれるとは思えません。
グリーフケアに行ってみようかな、という気持ちになりましたが、まだ踏み切れません。
これから先、どうやって気持ちを立て直していけばいいのか、まったく先が見えない毎日です。
長々と失礼しました。
【 回答 】
らんこさん。待ち望んだ妊娠で、大切な娘さんとお別れしなくてはならなかった辛い思いを、よくご相談くださいました。
妊娠中期以降に、赤ちゃんに何らかの気になる所見がみつかることはあります。
18トリソミーは、お腹の中で人生を全うする赤ちゃんもいます。
らんこさんのように、妊娠を終えるという道を選択された、ご自分を責める気持ちを抱く方は多くみえます。どんな選択でも迷いますし、後悔することもあります。それが、人というものだと思います。
医療者も驚くような少ない薬で、上手に生まれてきてくれた娘さんは、本当に親孝行な子ですね。ママとパパに会いたくて会いたくて、その時を待っていたのだと思います。
赤ちゃんたちは、自分の最高な姿を見せてくれると、現場にいていつも感じます。
“この時”が良かったんだなと、赤ちゃんたちの思いを感じます。
らんこさんの娘さんは、大好きなママとパパに抱っこされ、「来てくれてありがとう。」と言われ、どれだけ嬉しかったでしょう。娘さんの願いを、無意識に、ご自分たちの意思として、受け取られたのですね。
娘さんが成長する未来の姿を思い、新しい家も購入されたとのこと。確かに経済的に大変ですよね。もしかすると、娘さんは、ママとパパにその家にどうしても住んで欲しかったのかもしれません。
きっと、すべてのことを、一緒に考え、迷い、選んでいたのでしょう。
妊娠前の生活や心に戻ることは、なくても良いかもしれません。
間違いなく、娘さんのママとパパになったのですから。たとえ悲しい経験でも、ご夫婦からご両親になった、貴重な経験だと思います。
娘さんは、ママとパパのすべてが大好きなのです。
無理に進まなくても大丈夫。
どれだけ時間がかかってもいい。
誰かが決めることではありません。
今までの努力に無駄はなく、すべて意味があるはずです。らんこさんの体や、重ねてきた年齢、生き方に、何ら責めるものはありません。
子どもは親を選ぶとも言われますが、そうかもしれませんし、そうではないかもしれません。
ただ、らんこさんご夫婦の娘さんは、その時のあなたたちのところに来てくれました。きっと、その時が良かったのです。自分の人生を輝かしてくれるママとパパは、らんこさんご夫婦だったのです。
娘さんとのお別れは、悲しい経験です。
どんな気持ちを抱いてもいい。どれだけ時間がかかってもいい。
これから感じること、経験することも、すべてに無駄なことはなく、意味があると思います。
そのままのご自分を大切にしてください。
きっと娘さんは、ママとパパのことをお友達に自慢しながら、寄り添っていると思います。
相談者:らんこ様
回答者:吉田 京子
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