HOME > 第二子を14週で死産し、染色体異常の可能性を指摘されました。一度染色体異常で流産をしていると次も可能性は高くなるのでしょうか?また、出産経験がある場合、不育症の定義からは外れるのでしょうか?

第二子を14週で死産し、染色体異常の可能性を指摘されました。一度染色体異常で流産をしていると次も可能性は高くなるのでしょうか?また、出産経験がある場合、不育症の定義からは外れるのでしょうか?

【 相談内容 】
第二子が妊娠14週で子宮内胎児死亡し、死産しました。
染色体検査はしなかったのですが、赤ちゃんの耳の位置が低かったこと、羊水が多かったことから染色体異常の可能性を指摘されました。また、次に妊娠した時に希望があれば出生前診断の相談をしてみても、と言われました。

次の妊娠を希望していますが怖さもあります。そこで、ご相談したいことが2つあります。
1.一度染色体異常での流産を経験していると、次の妊娠で染色体異常が起こる可能性は高くなるのでしょうか?
2.元気な子の出産経験がある場合、不育症の定義からは外れるのでしょうか?
お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

【 回 答 】
つくし様、妊娠14週での子宮内胎児死亡とのこと、心よりお見舞い申し上げます。
いただいた2つのご質問について、それぞれお答えしたいと思います。

まず、上のお子さんに染色体異常がある場合、次の妊娠で染色体異常が起こる可能性は高くなるかというご質問ですが、 可能性は多少高くなると考えられています。

染色体異常症には、染色体の数が変化している“数的”異常と、染色体の形が変わっている“構造”異常の2つがあります。

数的異常は、精子や卵子が作られる際に生じる事が多いと言われています。 これには、母体年齢が最も大きく影響していますが、体質的なものも影響すると考えられており、一度染色体異常のお子さんを授かった方では、次にも起こる可能性が高くなると考えられています。

もう一つの構造異常ですが、これには遺伝子のバランスに変化が起きている不均衡型の異常と、バランスが取れている均衡型の異常があります。均衡型の異常では、これをもっている人は原則的に健康なのですが、バランスがとれていない組み合わせで子どもに染色体を渡すことがあり、この場合、お子さんに不均衡型の構造異常が生じる事になります。

よって、ご夫婦に均衡型の構造異常をご夫婦ののどちらか/もしくは2人とも、がもっている場合では、次の妊娠でも染色体異常が起きやすいということになります。
均衡型の構造異常は、一般人口の500人に1人程度に認められ、不育症カップルの4〜6%程度で見つかると言われています。
よって、1回の流産で両親の染色体検査を行う事は一般的ではありませんが、不育症と診断された場合では、遺伝カウンセリングの上で検査を考える事になります。

>2.元気な子の出産経験がある場合、不育症の定義からは外れるのでしょうか?
不育症とは、「生殖年齢の男女が妊娠を希望し、妊娠は成立するが流産や死産を繰り返して生児が得られない状態」と定義されます。 よって、元気なお子さんを授かったあとでも、流産や死産を繰り返した場合は、「続発性不育症」となります。
また、1回の流産では不育症の定義にあたらないことになります。

以上の様にお答えいたします。
細かい説明が必要な場合には、お近くの遺伝カウンセリングを担当できる施設に行って、お話を聞いてみて下さい。
次回のご妊娠が、何事も無いことをお祈りしております。

相談者:つくし様
回答者:三宅 秀彦