HOME > 第二子を2017年3月、2018年1月に繋留流産で手術しました。ただ一人で2回の流産の事を引きずっているようで孤独です。どうしたらよいでしょうか。

第二子を2017年3月、2018年1月に繋留流産で手術しました。ただ一人で2回の流産の事を引きずっているようで孤独です。どうしたらよいでしょうか。

【ご相談内容 】

第二子を2017年3月、2018年1月に繋留流産で手術しました。
最後の手術から1年が経過しようとしているのに、未だに他人の何気ない言葉に傷ついたり、妊娠した人を心から喜ぶ事ができません。みんなはスムーズに出産しているのに、何故私だけこんな思いをしなければいけないのかと苦しいです。夫もいますが、ただ一人で2回の流産の事を引きずっているようで孤独です。どうしたらよいでしょうか。

【 回答 】

「何故私だけこんな思いを―」。にーなさんは苦しい気持ちを抱え続けていらっしゃるのですね。
「私だけ」ではありませんよ、にーなさん。いのちとのお別れを体験した私たちは、誰もがにーなさんと同じ感情を持つものです。
もし、にーなさんが体験した人の集いの場で、「何気ない言葉に傷つく」、「妊娠した人を心から喜べない」と語られたら、「私もそうだった」と共感の輪が広がることでしょう。
流産率は何%と言われても、その数字のひとりに宿ったいのちが含まれるなんて―。「まさかこんなことが」と受け入れがたい気持ちに覆われることから、私たちの哀しみは始まります。自分のまわりに、相手からは見えない、透明なガラスの壁が立ちはだかってしまったような気持ちがしたりしていませんか?にーなさんの「孤独」な気持ちは、いのちとのお別れをした私たちには共通する感情です。その感情が続いていることに気付かれ、こうして相談をされることは、とても大切な一歩になると思います。
にーなさんの2年間を振り返ってみたいと思います。
2017年は、ふたつめのいのちとの出会いから始まったことでしょう。「ド、ド、ド、」と心拍も聞こえ、エコーでも対面されましたか?数週間後の急展開。心拍が確認できない等の告知と手術。このような出来事をご家族との普段の暮らしを続けながら越えていかれたことでしょう。でも、にーなさんは哀しいことを哀しいと想う感情を心の中にしまい続けてしまいませんでしたか?
2018年のお正月は、3人目のいのちのお母様としてはじまったのですね。
年末年始の慌ただしい日々を宿ったいのちを愛しく想い、守ってあげたいと祈るような気持ちでお過ごしになられたのでは?そこに再びのお別れ。稽留流産の手術に重なるように、こころの痛みが深まってしまわれたのでは?上のお子様は、何歳でいらっゃるのでしょう。子ども期の1年間は、からだやこころの成長もとても大きいものです。その成長を支え、ふだんの暮らしを続けていく―。にーなさんはガラスの壁をさらに厚くすることで、ご自分を守りながら、日々の暮らしを越えてこられていたのではないでしょうか。痛んでいるこころに「何気ない言葉」が刺さっていくのも、自然なこと。周囲の人の「妊娠」の知らせには、「どうして私のいのちたちは…」という哀しみが溢れていくことでしょう。にーなさん家族の戸籍に登録されたお子様はお一人ですが、「いのちの家族簿」では、3人のいのちのママとパパ。私たちの社会では、「今育てている子ども」のことだけに目が向けられがちですから、「お別れしたいのち」のことを語る場はほとんどありません。でも、にーなさんは知っています。にーなさんのからだに3つのいのちが宿ったことを。流産のお別れは、パパや周囲の人に宿ったいのちのことを実感していただく手立てがないことも辛いですね。にーなさんは、「いのち」の世界の言葉で語りたいのに、周囲の人はその世界のことを知りません。私たちは、「いのち」の世界と、普段の世界を心の中でいったり来たりしながら生きているのではないかと、私は思うのです。お別れしたお子様たちは、にーなさんを「いのち」の世界へと誘ってくださったのではないでしょうか。いのちとのお別れの哀しみは、乗り越えるとか、消し去るというのではなく、大切ないのちのことを想い、哀しいことを哀しいと感じ続けることが、人としてとても自然なことではないかと思います。お別れしたお子様たちは、共に過ごした時間のことを大切に想い続けてくださる、にーなさんの優しさをきっと誇りに思っているのではないでしょうか。
哀しいことを哀しいと語れる場でありのままに語ることや、ご家族とご一緒に「5人のいのちの家族」として過ごされること等、にーなさんらしい方法をきっと見出していかれることでしょう。その優しいこころを大切に。

相談者:にーな様
回答者:田村芳香