HOME > 赤ちゃんを人工死産しました。心にポッカリ穴が空いた状態で、産んであげられる環境を作れなかった自分が情けないです。赤ちゃんの分まで笑っていくって約束したのに何も守れてないです。

赤ちゃんを人工死産しました。心にポッカリ穴が空いた状態で、産んであげられる環境を作れなかった自分が情けないです。赤ちゃんの分まで笑っていくって約束したのに何も守れてないです。

【 相談内容 】

2019年2月8日に5ヶ月17週の男の子の赤ちゃんを人工死産しました。
今心にポッカリ穴が空いた状態で、産んであげれる環境を作れなかった自分が情けないです。
赤ちゃんと面会をした時に、抱っこをしたのですがあの子の重み感触何もかも覚えてて今でも手に残っています。最後に一緒に寝ることや抱っこしか出来なかったけど私は母親らしいことが出来たのでしょうか??
赤ちゃんと赤ちゃんの分まで笑っていくって約束したのに何も守れてないです。
どーしたら心の回復ができますか?私は立ち直れますか?

【 回 答 】

ひーさん様、お子様を抱っこされた感触、すぐにお伝えくださって有難うございます。
2月8日は、ひーさん様の赤ちゃんが生まれた記念日ですね。
お子様は17週、ママとともに生きたのです。
17週に渡って、ひーさん様が育んだ、大切な、大切ないのち。

確かに17週を越えて育て続けることが出来なかったことは、言葉に尽くせないほど残念で、悔いの残る出来事であることをお察しいたします。それは別の何かを守るため、ミッションを担ったいのちであったのかもしれない―などと思い巡らしています。

今は、想いの限り、哀しんで、哀しんで、良いのではないでしょうか。
お子様と共に過ごした17週のことを思い出すことを大切になさって良いのではないでしょうか。

でも、ご自分を責め続けないで―と願います。
願いますが、責めてはいけないとご自分の感情に封印もしないで―とも思います。
言葉では言い尽くせないさまざまな感情。
ひーさん様のこころの中で、経験したこともない、さまざまな感情の嵐が吹き荒れていることでしょう。
それほどの深い出来事であったということ。
それは、ひーさん様が、’母親’だからなのではないでしょうか。

妊娠・出産について、私たちは知らず知らずひとつのイメージを持たされているかもしれませんね。
でも、妊娠・出産の経験は、本当にひとりひとり違います。
経験して初めて知ることばかりです。
例えば、死産とされるいのちは20,934胎(平成28年 人口動態統計)。
ひーさん様と同様に人工死産という経験をされた方は、10,867人(同)いらっしゃるということです。
本当にさまざまな「生」があることは、経験して初めて知ることですよね。

17週、お子様が確かに生き続けたことを知るのは、ともに生きたひーさん様だけです。
もちろん周囲には、ひーさん様とお子様を見守り続けたパートナーやご家族たちがいらしたことでしょう。

日本では「死産」と言う言葉で語られる出来事を、英語ではstillbirthというそうです。
静かな誕生というイメージでしょうか。
産声を聞くことはなくても、それはひとつのいのちの誕生であったことが伝わります。

ひーさん様のからだは、今、出産後の大きな体調変化の渦中にあります。
これまで赤ちゃんを育むために必要とされていた女性ホルモン分泌量が、出産後には急激に減少します。
エベレストほどの量が、20階建てマンションの量になる―と喩える人もいます。
出産後の女性はこのために一時的にマタニティブルーと言われるような感情的に不安定な状態になることもあります。
また、大きな仕事をやり遂げた子宮が回復するためには一定の時間が必要です。

さらに赤ちゃんとのお別れが重なっているのですから、哀しみ、辛さが押し寄せることは、とても自然なことではないかとも思うのです。
今は、笑えることのほうが難しいと思えます。
私は、ひーさん様は、人として、母として、とても自然な心でいらっしゃると思い、信頼を感じます。
豊かな感受性のお母様を、お空の天使となられたお子様も誇らしく思っていらっしゃるのでは?

心の回復―。
確かに哀しみの真只中では、出口の見えないトンネルを彷徨うような孤立感に包まれることがあるかもしれません。
どうぞひとりで抱えないでください。
からだやこころの声を聴きながら、ゆっくりと普段の生活リズム~眠る、食べる~が戻ってくると良いですね。
からだの不調のサインがある時は、専門家にも相談しながら、日々の生活を大切になさってください。

こころは時間をかけても良いのではないかと思うのです。
もし、ひーさん様の近くに、赤ちゃんとのお別れを経験した人と出会える場があるのでしたら、お話をすることも意味のある時間になるのではないかと思います。
一緒に寝たこと、抱っこしたこと、17週の出来事や気持ち―大切になさってください。

相談者:ひーさん様
回答者:田村 芳香