HOME > 44歳で体外受精で妊娠しましたが繋留流産と診断されました。ただただ泣いています。元の生活に戻ることができるのかとても不安です。今回グレードがいちばん良いものを移植したのですが流産となり今後も同じ結果になりそうで怖いです。

44歳で体外受精で妊娠しましたが繋留流産と診断されました。ただただ泣いています。元の生活に戻ることができるのかとても不安です。今回グレードがいちばん良いものを移植したのですが流産となり今後も同じ結果になりそうで怖いです。

【 相談内容 】

44歳で体外受精で妊娠しましたが今週木曜日8週3日で繋留流産と診断されました。
6週後半の時点で心拍確認できず、繋留流産の可能性がでた時点からずっと落ち込んでいます。初めての妊娠でしたがやはり高齢で難しかったのかなと思います。毎日とにかく泣いて過ごしておりもう2週間出社はしておらずさらに休むと思います。

手術せず、自然排出を待つのですがいつどこで始まるか予測できないということで自宅にいます。何もすることができずただただ泣いています。夫はまたがんばればいいと言いますが前向きになることができません。

これから本当に元の生活に戻ることができるのかとても不安です。つわりはなくなりましたがうつ状態なのか胸のつかえがあったり過呼吸気味だったりします。また休んでいる会社のことを思うと罪悪感と復帰後の不安で押しつぶされそうです。

凍結胚は分割胚ひとつ、胚盤胞ひとつで、いずれも42歳で凍結したものです。今回グレードが一番よいものを移植したのですが流産となり今後の移植も同じ結果になりそうでとても怖いです。

今できることは自然排出が無事終わり小さい赤ちゃんときちんとお別れすることだと思うのですがそれが終わったあと本当にすべて終わるようで怖いです。

【 回 答 】

ちゃんこ様
今はどのようにお過ごしでしょうか。

ちゃんこ様は医療の応援も得て、初めての妊娠をなさいました。
宿されたお子様とのお別れの真只中でいらっしゃいます。

>毎日とにかく泣いて過ごしています。
>もう2週間出社することができずさらに休むと思います。

ちゃんこ様のご様子をお聴きしながら、私が繋留流産を経験した時のことが蘇って参りました。
私に宿った初めての子どもと過ごした哀しくて、愛しい記憶です。

「心拍が確認できない」という医師の言葉が遠くの世界から聞こえて、すぐには受け入れがたくて。
赤ちゃんがここに一緒にいるのに、何もしてあげられない。
なぜ? どうして? どうしたら? 自問自答を繰り返し、ただ悶々と、何の試練かと思い過ごす日々。
今は、突然のお別れではなくて、2週間一緒に過ごすことを赤ちゃんが選んでくれたのだと思うこともできます。

最近は人体の研究も進んでいます。
少し前に、小さな受精卵が母体と協力しながら育つ、ミクロの世界の様子をテレビで視聴する機会がありました。
受精卵が着床して、数週間育つ時間の中にある’いのち’の物語―ママを選んでしっかり生きようとしてくれていたことを知り、さらに愛しくなりました。

涙が溢れる日々だとしても、ちゃんこ様はすでにひとつの’いのち’のママ!

>今できることは…赤ちゃんときちんとお別れすること

ちゃんこ様は、ご自分が向き合うべきことをしっかりと理解していることが伝わります。
離別の哀しみは、白黒がはっきりするとか、ひとつの答えが見いだせるというタイプのものとは少し違っているかもしれません。
私は、哀しいことは哀しいと思えることを大切にしてほしいと思います。
私の経験は、繰り返してほしくないと思います。
時代の風潮もあったのでしょうが、「なかったものと思いなさい」という医師のよかれと思っての言葉がけや「そっとしてあげよう」という周囲の配慮だったのか、そのことに触れない日々が重なり、次第に「なかったもの」と思わなくてはならないように過ごしてしまったように思います。
「やはり私は哀しかった。哀しいことを哀しいと言える場がなかった」と気付くまでには、ずいぶん長い時間がかかってしまいました。

小さな’いのち’とのお別れの哀しみは、一人で向き合うには辛すぎることもあるでしょう。
もしお近くに「哀しいいことは哀しい」と話せる場があれば、共通の経験がある人同士の気持ちのわかちあいをなさってください。

今は、嵐が吹き荒れるように、負(マイナス)の感情が溢れる時だと思います。
凪の時を見出しながら、正(ブラス)の面にも目を向けるように、この繰り返しがしばらく必要かもしれません。
感受性の豊かなちゃんこ様ですから、しんどさが身体にもサインとして表れることもあるでしょう。
これは、正(ブラス)の事だと、私は思っているのですが、自分の状態を周囲の専門家にも伝えながら、都度納得の解消をなさってくださいね。
抱え込まず、吐き出すことも大切になさってください。

ちゃんこ様には、待っている’いのち’がおありなのですね。
ちゃんこ様のこころとからだが十分な療養をなさった時には、パートナーの「またがんばろう」という言葉がご夫婦の言葉として語りあえるのではないでしょうか。

一方で砂時計を手にしているような不安があるかもしれません。。
そして、離別の哀しみを繰り返すのではないかという不安を消すこともできないかもしれません。

医学の進歩は目覚ましいですね。
今、この時代に生きていることを’強み’に思えると良いですね。
統計の数値からは○%とマイナスの情報が伝わり、希望を見出すことは難しいこともあるでしょう。
でも、ひとつの家族に、一人ひとりの親に、ひとつの’いのち’にそれぞれの物語があります。
ちゃんこ様とパートナーには、「ひとつの’いのち’の親となる」という希望に向かって歩いていらっしゃいます。
今は、哀しみの真只中ですが、溢れているのは親として、親になったからこその涙です。
ちゃんこ様の親としての人生は、もうはじまっています。

相談者:ちゃんこ様
回答者:田村芳香